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    看病家族、おとこの料理とシチュー

    • 2019.01.27 Sunday
    • 21:37

    私の幼少気期は母が病気がちだったため、父が料理をつくってくれることが多かったのです。



    私が小学生のころに作ってくれた父の料理は、笑える思い出であり、父の苦悩の現れでした。





    父の料理



    その1、マヨネーズシチュー



    その2、肉じゃが





    マヨネーズシチューはダントツ1位の思い出料理です。当時、まだ料理が慣れていない父は小さい子供になんとか食事をさせないといけないという思いで、シチューを作ってくれたのです。



    もちろん、私はシチューは大好きですから大喜びでお皿の中にスプーンをいれながら「おとうさん、おいしそう!ありがとう」と口に入れた瞬間ゲッ!!



    「おとうさん、、、すっぱいよコレ」





    なんと、父が作ったシチューは白くすっぱい液体だったんです。



    父は笑ながら「やっぱりあかんかったか」と説明してくれたのが、シチューは白いからてっきりマヨネーズが決めてなんだと思い、マヨネーズ汁でジャガイモを煮込んだらしいのです。





    これには笑うしかありません。私の想像を越えるシチューを作ってしまった父はこの後2度とシチューを作りませんでした。





    しかし父はめげることなく、次の日も食事を作ってくれました。



    次の日は肉じゃがです。





    安心してください。父は元々肉じゃがが大好物だったので、少し汁ぽいですが美味しい肉じゃがを作ってくれ大満足で父に「おいしいから明日も肉じゃが作ってね」と満面の笑みでお願いをしたのです。





    次の日、食卓には約束どおり肉じゃががありました。



    うれしくって、おかわりまでしたので、お鍋いっぱいだった肉じゃがは空っぽになり、父もニコニコしながら「たえこ、いっぱい食べたなー」と誉めてくれました。





    そして、次の日の夕食に食卓を見ると、新たに作られた鍋いっぱいの肉じゃがが湯気をたてて私をまっています。



    その次の日も、また次の日も



    食卓では肉じゃががデーンと陣取っているのです。





    肉じゃがの臭いだけでもウェップとなりそうなほど、飽きてしまっていたのですが子供心ながら、病気の母の代わりに一生懸命に作ってくれているのに、もう肉じゃがは嫌だとは言えません。





    そこで考えたのが、お手紙に書いて肉じゃがをやめてもらおうという作戦でした。





    「今日は肉じゃがはやめてください。」



    父が仕事に行く朝に見てもらえるように、手紙をテーブルに置いておきました。









    その手紙の晩、父は天王寺にある百貨店でコロッケを沢山買ってきてくれたのです。



    コロッケが食卓にあるのを見つけた私は「コロッケだーいすき」と大喜びし、その姿を見ながら父がこういったのです「悪かったなあ、同じおかずばっかりじゃ飽きるよな、明日は違うものを作ってやるからな」





    私の小学校の頃の父食事の思いでは、この二つなんですが、この後数年後父と私とで食事を担当しなければいけなくなった時に、父がぼそりと「スーパーでな、何を買っていいかわからへんねん」というので買い物は一緒に行くことが度々ありました。





    今私は40歳を越え、家族のために食事を用意しますがスーパーへ行くと耳元で「何を買っていいかわからへん」という父の声が思い出されることがあります。







    看病家族が男性で、家事を担う立場になったとき、私の父のように四苦八苦するのではないでしょうか。食事の用意は基本毎日です。



    しかも食事は買い物に始まり、したごしらえ、料理、片付けまでの4段階をクリアーしないといけない大変な作業です。



    こんなに大変なのに、毎日同じくらい看病と仕事がついて回るなんて、倒れてしまんじゃないかと心配になりますね。





    男性が家事を担う状況になったら、すぐ手抜き術を覚えてください。



    食事のクオルティーを半分に押さえ、とにかく毎日食べられる環境作りを徹底し、まわりの女性陣は手抜きの方法をレクチャーしてくれるとおお助かりです。





    手抜き例



    ・食事はタンパク質・ビタミンだけに注目した食材選び(魚・肉・豆)(野菜・くだもの)をする



    ・カットされた食材を購入(肉・魚・野菜)



    ・レトルト調味料を使う



    ・ポンと出すだけ食材を取り入れる(豆腐・なっとう・もずく・かまぼこ・玉子とうふ)



    ・冷凍食品に頼る



    ・お総菜に頼る



    ・宅配食材に頼る



    ・紙皿を使う



    ・ワンプレートに盛り付ける



    ・アルミホイルに盛り付ける





    様々なところで、看病をしながら家事を担っている男性を見かけることが増えましたが彼らの悩みは初めこそは、病療養中の妻の治療方針ですが日がたつにつれ、家事と仕事の両立のしんどさを悩みだす方がほとんどです。



    しかも揃って口にすることが、完璧な家事と看病の内容です。





    妻がやっていたような食事を作らなきゃいけない、がんばろう!



    妻も治療を頑張っているんだから、自分も頑張ろう!





    こんなこと、つづくわけがないのです。



    そう思いますよね。





    他人の立場で考えると無理だとわかることが、当事者になるとどれもこれもガムシャラに頑張らなければ病気に負けた気がする、



    私も看病をしていた時はそうでした。





    しかし、看病と生活は続くものです。この生活が倒れてしまっては看病どころではなくなり本末転倒ということは想像がつくこととおもいます。



    では、本末転倒にならないためにはどうすればいいか「冷静になる」ことがキモだと考えます。





    冷静に今自分にできることと、できる範囲を自覚をして動くことが看病と生活を保つコツではないでしょうか。









    かって私の父が看病と家事を担ってくれたという思いでがあるからこそ、今看病をしている男性たちにお伝えたいエピソードでした。






    がん家族セラピスト
    酒井たえこ




































































































    家族の声がクローズアップされない

    • 2019.01.23 Wednesday
    • 17:09

    信濃毎日新聞31年1月3日の特集「家族は第二の患者」という記事を読んでなんとも言えない自分自身への憤りを感じました。

    記事には自営業の男性がインタビューに答えていました。


    この男性にはかつて肺癌を患った奥さまがいたと語る。当時奥さまの看病、子育て、仕事をこなしながら暮らしていたが、その暮らしの中で追い込まれる自分を、時おりニュースで目にする介護を苦にした殺人事件が他人事ではないと言うその言葉が重みをもつ。


    さらにこの男性は「家族が大変なのは身に染みてわかっている。けれども、妻の他界から10年近くたった今でも、世の中でそうした家族の声がクローズアップされないのはなぜだ」と胸中を語っていました。

    そう、この男性が話すとおり、がん家族への注目は全然です。

    どうして家族のことがクローズアップされにくいのかというと、答えは簡単。メディアで取り上げるにはまだインパクトが弱いからだろうと私はみています。


    つまり話題になりにくいのです。


    ここで考えなければいけないことは2つあります。「注目されると何がよくなるのか」と「注目されない理由」ですが、なにが良くなるかということは他の病気の支援を見てもわかるように、注目=支援につながりやすくなり看病が様々な変化をします。



    1つの例をあげると、がん家族のなかには不安を誰にも話せずついには孤立をしてしまい鬱病を発症してしまうことも少なくありません。看病で感じた気持ちを誰にも話せない状況を想像できるでしょうか。

    看病をしているとよくあるのが、親戚に治療方針のことを突如口出しされることです。

    患者と何度も話し合い、金銭面でもこれならできると思った方針にGOをだしてこれから頑張るんだと疲れた体と気持ちを奮起させていたら、事情をあまり理解できていない親戚が「○○県の医師がいいらしいから、かわったら?今の病院は評判がよくないらしいわよ、そうしなさいよ」などと30分も1時間も自分の描く治療方針をぶつけてくる。

    看病家族が応戦して「いえおばさん、お気持ちはありがたいのですが、治療のことは先生ともよく話あっていることだし、○○病院は家からけっこう遠いから無理なんですよ」しかし、親戚の叔母さんはまくしたてる「何をいっているのよ、今1番大事なのは○○さんの命でしょ、遠いくらい何なの」。

    こう言われてしまって反論もしようがない。


    看病家族は自分達が楽をしたいわけじゃないし、患者の命を1番に考えるなんて誰に言われなくとも、自分が1番考え望んでいること。しかし、治療には今自分達の環境に沿ったものしか続けられないことが、この親戚の叔母にはわかっていない。


    お金・時間・仕事・家族の体調など生活は待ってくれないのだ。

    そのことを理解していないこの親戚の叔母に何をいっても無駄だと思うと、看病の不安なんて相談しようとはさらさら思わない。


    これは例え話でしたが、これを読んで「そうそう!」と思った方は多いはずです。


    ここで出てきたキーワード「わかっていない」という状態が問題なのです。

    例題の親戚の叔母のようだけではなく、「身近なひとでがんを患ったひとがいないからわからない」「看病家族の(妻など)の状況がわからない」「癌がどういう病気かわからない」という看病家族がおかれた状況がわからない人に、家族が癌になった話をしようとも思わないのです。



    しかしここで間違ってはいけないことがあります。

    間違えてはいけないのは、誰もが患者のことを思っているということです。つまり敵ではないんですね。


    看病家族も本音では、この苦しみを誰かに聞いてもらい、良い治療と生活が送れるように気持ちのゆとりを持ちたいと考えています。

    ただ、話をしてもわかってもらえないだろうと、口をつむんで孤立をしてしまうのです。


    ここまでくれば何となく想像できてきている方もいらっしゃるかもしれませんね。


    まわりの人が「癌というものをわかる」ということで、解決できると思いませんか?



    私なら癌についてこんなことを分かってほしいです。

    ・癌という病気は部位によってそれぞれちがう

    ・治療費やその他にもお金がかかる

    ・時間の使い方が平素とは変わる

    ・約束が守りにくくなる

    ・患者と家族は違う悩みと苦しみがある

    ・患者と看病家族の感情は変わりやすい

    ・時間がない




    さて、最初に話題になっていた注目ということがここで威力を発揮してきます。

    テレビや雑誌などで、看病家族のことを紹介し世間から注目されると、今までわからなかった癌患者と家族の詳しい状況を知ることになります。しかも注目されている内容であれば、自然な手のさしのべ方もわかってくるでしょう。

    その反対に、看病家族がヘルプと声を出すこともできるようになります。


    男性が語っていた「クローズアップをされないのはなぜ」という声は、みんなに状況を知ってもらい少しでも支援してもらえる場があれば患者との生活が(癌生活が)もっと変わっていただろうと言いたいのだとおもいます。





    次に看病家族のことが「注目されない理由」についてですが、これはインパクトなのかなと思います。


    私の経験でしかないのですが、以前取材申し込みをしてくださったテレビ番組の方はみなさん、「話題として地味」だとおっしゃっていました。劇的なカーチェイスがあるわけでもなく、または涙の超感動話があるでもなく、看病をしている生活なので取り上げにくいとのことらしいのです。


    そういえばこんなこともありました。とある番組の半分のディレクターさんはテーマに起用したいといい、残り半分のディレクターさんは興味がないといっていました。

    後で聞いてみると、起用したい派は女性や親の介護経験がある方で、興味ない派は独身の男性や癌患者が身近にいない方でした。


    なるほど、がんは2人に1人がなる時代と言われていても、まだまだピンときていない人が多いということなんですね。




    しかし、今回のこの信濃毎日新聞の記事のように、がん患者の看病をしている家族に注目しているところは確実に出てきています。

    この小さな注目の火をリレーのように様々なところで知ってもらえるようになることを願っています。







    がん家族セラピスト
    酒井たえこ

    せん妄について

    • 2019.01.22 Tuesday
    • 12:08
    ツイッターでがん末期の患者が、今まで発したことのない言葉で暴言をはくので、過去の良い思い出まで否定されたような気持ちになって辛いというがん家族の悲痛な内容を見かけました。

    がん末期のターミナル近くなるとよく見受ける症状のひとつで「せん妄」というのがあります。

    国立がん研究センター「せん妄」についての説明を引用







    このツイッターを見て思い出したのは、私の父のことです。
    がんを患った父が最後の入院になった時のことです。

    父は優しく物静かなタイプだったし、ワガママを言って困らせることも無かったんです。
    だから痛みはきつそうでしたが、最後まで静かに過ごしてくれるのだろうと思っていました。

    しかしそれは騒動がおこり一変したのです。
    前日まで痛み止めが効いている時間は、私と少し話をしたり、トイレまで歩いて行っていたので、この日も同じようなんだろうと(私の)旦那くんが付き添いを数時間交代するため病室のドアをガラっと開けた瞬間、ベッドに横になっていた父が突然体を起こして支柱台をつかみガラガラガラっ!

    ドア近くにいた旦那くんに駆け寄って大声で「ドロボー!! ドロボーがいる!!」と殴りかかりました。

    腕を大きく振りかざし殴りかかろうとした拍子に点滴がはずれ、転びそうになるもなお旦那くんを殴ろうとするので「お父さん、お父さんっ僕です大丈夫です!」と旦那くんも大声で父の腕をつかみながら静止するのですが全然止まない。

    そんな大騒ぎを聞きつけた医師がドアを開けて「◯◯さん、どうしたんですか」声をかけると父はこう言いました。「先生、ドロボーがいたんです」

    先生を見た父はとたんに大人しくなり、医師に促されるままベッドへ入りました。

    この様子を私も旦那くんも驚き、特に旦那くんは父にドロボーと呼ばれたのがショックだったようです。
    もちろん私もせん妄だろうと思いながらも、形相が変わった父を見てショックだったし、父の最後の思い出がこんな様子が刻まれるのだと思うと悲しくてたまりませんでした。

    父のことを思い出すきっかけとなったツイッターの方には、お節介だと思いながらもせん妄かなと思ったら看護師や医師に訪ねるようにとお伝えしました。

    医師に相談することでせん妄の原因やタイミングがわかる場合もあります。
    例えば痛み止めのコントロールでせん妄が薄まる場合もあれば、看病をしている家族の気持ちを聞いてくれる場合もあります。

    対応は一概には言えませんが、せん妄でのショックを和らげられることは確かですし、この時期に大切なことはいち早くショックを和らげて、患者との時間を無駄にしないことだと思います。




    がん家族セラピスト
    酒井たえこ

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