私は重版出来を目標にしています。
▲著書「がん患者の家族を救う55のQ&A」
とうとつに書き始めましたが、私はこの夏にがん家族向けの本を出版しました。
この出版には私の夢が込められているので、出版するまでに3年もの時間がかかったのです。
みなさま、私の夢を聞いていただけますか?
みなさんに少し想像をしていただきたいのです。
シチュエーションは、この本が病院内の売店に置いています。
売店に来た看病をしている人が偶然手にとって初めて見る「がん家族」の言葉を知り、自分は1人じゃないのかもしれないと、思ってくれたら
どんなに素晴らしいでしょう!!
私は病院で看病をしているひとに手にとってもらえる本を出して、文字で勇気付けたい。
そんな夢を持っていたんです。
かつて私もがんを患った父の看病をしていた時、病院内の売店にはよく行きました。
その時は、食べたい意欲もなく疲れた身体で、なんとなくマンガやジュースを買って、息抜きをしていました。
でも、そんな息抜きをしても、不安やしんどさは消えなかったのです。
それどころか、社会との孤立感は増すばかりで父の病状とは別の悩みで頭の中はいっぱいになっていました。
自分は社会から切り離されたような感覚。
自分の居場所は病院の中でしかないような感覚。
今ならそうじゃなく、社会は自分を分断していないことは理解できますが、当時はそんな風にしか思えませんでした。
かつて私がこんな風に感じ、孤独に悩んでいたことは、私だけにおこることでしょうか?
そうではありません。
誰しもが考え悩むことです。
だから私は文章で、「あなたは1人じゃないですよ」とお伝えしたくて本にしました。
本という存在は、看病している人がきっと「ああ、こんな風に思っているのは自分だけじゃないんだ」
「自分に目を向けている人は近くにいるかもしれない」
そんな風に思ってくださると願いながら200Pを書きました。
最後になりましたが重版出来を目標にしているのは、本を病院内の売店に置いて欲しいからです。
本を出版しても最初から病院内の売店に置いてもらえるわけではなく、
本に人気があって、誰もが欲しい本だと売店(オーナー様)に思っていただけて初めて、置いていただけるらしいのです。
もちろん、出版社の方は病院内の売店に置いてもらえるよう努力をしてくださっています。
が、私個人としての目標が「重版出来して、全国の病院内の売店様が置きたいと言ってくださる」ことが真の目標なのです。
本が「がん家族」のもとに行き、幸せな未来のためのきっかけになれることを願っています。
*重版出来とは、完売して再度本を増刷することです。
著書
「がん患者の家族を救う55のQ&A」
酒井たえこ