「思い出写真」
私は以前、癌を患った父を看病していました。
その時悩んだのが、「写真」です。
(父との思い出 稲穂)
父との思い出をたくさん残しておきたくて、外へ散歩に行くと
写真を撮ろうと用意をしているんですが、なかなか撮れないんです。
何だか父が亡くなる用意をしているようで、撮れないんです。
でも、父が痩せてきた時
少しでもふっくらした笑顔を、今撮らなきゃ時間がないと思い、
精いっぱい冗談交じりに父をパシャパシャ撮りました。
今思うのは、笑顔の写真があってよかったな
ということです。
思い出を作るのは、家族にとって辛いことですが、大切な時間の証もまた、未来の私たちに必要なものなんだと気付きました。
sapunapiたえ