がん家族の泣ける場所

  • 2018.07.25 Wednesday
  • 10:47
コラム 【家族の泣ける場所】



私は父の病院付き添いをしていました。
初めは医師と話すのは緊張するばかりで自分の感情は表面に出ていなかったように思います。



でも父のがんが再発したころから、診察の後の処置の間に泣くことが増え、入院している時も泣いていました。
悲しいから泣くというより、医師から聞かされる未知の出来事が怖くて泣いていたように思います。


だって、治るとは言ってくれなかったからです。
どんな治療を選んでも、可能性の話ばかりで不安のコップはいつも満タンになって、涙になっていました。



そんな涙ですが、どこで泣いていたかというと入院中は車の中が定番でした。
父の付き添い看病からの帰り、車に乗ると両目から涙が滝のように吹き出してしまうんです。
だからワーワーと声を出して泣いていました。



診察の日は、点滴処置中にトイレや皮膚科に行って、静かに泣きました。
他の人がびっくりするので声をころして泣いていました。




私は父に隠していたつもりですが、診察の後などは目が腫れていたのでバレていたのでしょう。


帰り道 普段はあまり喋らない父が、いろんなことを話しかけていました。


そんな時わたしは自分の腫れやすい目に、「この役立たず!」と心の中で罵倒していました。



今は、かつて父を連れていっていた病院に母を連れて行くようになり、
あの駐車場やトイレの前を通ると、
父と通ったことを思い出します。


でも思い出しでも、そんなに辛くはありません。
涙の作用は「感情を出す」ことで色んな思いも吐き出してくれていたのでしょうか。
泣いたぶん今は過去の思い出と認めることができました。



泣くことはそんなに悪くないですね。






がん家族セラピスト
酒井たえこ


著書『がん患者の家族を救う55のQ&A』

https://community-publishing.net/gankazoku/





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