がんとお金ってシビアですね

  • 2019.05.27 Monday
  • 23:58
今日はFP(ファイナンシャルプランナー)さんと打ち合わせをしていました。

がん経験者であるFPさんと、看病経験者であるセラピスト(私)と共同で行う講演について、いろいろ決めてきたんです。


さて、私はこれまでにも講演で「がんと診断されたとき、家族がしなければいけないことは?」と質問されたときにはこう答えていました。

答え「お金がいくら用意できるか考えてくださいと言います」

こんなことを答えとして言うと、だいたいの講演会場はザワつきます。

しかし、これには続きがあるのです。
初めての場合でも、心の準備をしている場合でも大概は、「あなたは(ご家族は)がんです」と診断され告知を受けると、今までにない大きな衝撃を受けてしまいます。

そして、その衝撃から落ち着くまで時間が必要なのに、治療はすぐ始まります。

こんな衝撃の展開のなか、落ち着きなさいとアドバイスをしても無理なんです。

だから私は「お金の用意を考えて」と言うようにしています。
これには2つの理由があります。

1つは
患者家族は突然お金のことを言われ、驚くことでしょう、その驚きが大切なのです。「へ?お金?」と驚くことで、ハッとするのです。

講演会場でもお金と聞いてザワついたのも、同じ反応です。

このように、人は想像もしていなかったことを言われるとハッとしますね。
その1秒ハッとすることで、我に返るというか、我を取り戻すきっかけになるかもしれないという可能性を秘めた言葉かけです。

2つ目は
やはりがん治療にはお金がかかります。
しかも、告知を受けたばかりの頃はあっという間に、結構な金額を使ってしまいます。

これが理由です。


それに、お金については私自身が
がんを患った父の治療のことで大金が必要になり、用意できない私たちはその治療を泣く泣く断念した忘れられない経験をしました。(著書 がん家族55より 新薬について)

がん治療には、標準治療、通院など、生活、娯楽、予備費など様々な項目のお金が必要になります。
しかし、がんと告知をされたばかりの方はそのお金のことはあまり想像出来ていないのが現状です。



そのことを過去の私を含め、患者家族の方々にお金への意識と知識を知って欲しいとずっと考えていました。

そんな時、私に最初にがんとお金のことについての考え方を教えてくれたのが、保険代理店warth whileの齊藤さんと、これから一緒に講演をやろうと計画している辻本FPさんでした。

彼女たちはこう教えてくれたのです。

がんには、見えるお金と見えないお金がある(支出)ことと、患者の環境などでもそれぞれ違いがあるので、全体を想定することが大事だと言います。


要約すると、お金を使うのは治療費だけではないということです。
そして、困ることばかりじゃなく、状況に応じて助けてくれるものもあるということがあるので、全体を見て出ていくお金、助けてくれるお金(制度、保険など)をしっかり理解することが、がん治療に集中できる要因になります。


とはいえ、私もお金や数字は苦手ですけどね。笑



がん家族セラピスト
酒井たえこ

孤独死と死に近い師

  • 2019.05.24 Friday
  • 01:05

タイトルを見ると怖い感じがしますね。





これね、以前わたしが仕事にしていた湯灌師という言葉をかけてみたんです。



それと最近ネット漫画などでもよく見かけるようになった、特殊清掃員についても意味を含めています。









さて本題です。





数週間前、近所のおじいさんが孤独死で発見され警察沙汰になったのです。



近所の方の話では1ヶ月前に亡くなっていたようだと。





そのおじいさんは、わたしと同じマンションで同じ階に住んでいたので生前はエレベーターなどで顔をみかけて立ち話をすることもあったのです。



でもここ2,3年前からお酒をのんでは会う人会う人にくだをまくようになり、徐々に近所からは嫌われ者になっていき、わたしもお酒のいきおいで怒鳴られたことをきっかけに嫌いになっていました。





だから当然、近所の方は避けるようになったし、わたしもエレベーターで会っても話すことなく無言でいるようになっていました。









そんなある日、わたしの携帯に知らない番号からの電話が鳴るので、すこしいぶかしげに「はい・・・」と電話にでると相手は警察だと名乗るではないですか。





何!?車の違反はしていないし、もしかしたら身内に何かあったのかと一瞬で脳内にあれやこれやと駆け巡っている最中に警察と名乗る男性がわたしの住所や近所の自治会長さんの許可を得て電話をしているという内容をなんどか繰り返し言ってくれていたようですが、わたしの動揺がおさまるには3回はくりかえし説明してくれていたように思います。





警察の方の話しでは、わたしの部屋(マンションの)から3軒隣りの男性が孤独死で発見されたので、死亡推定時期の特定のためにみなさんにお話しをうかがっているということと、どうやらわたしの旦那さんが、おじいさんを見かけた最後の人になるようなので詳しく話を聞きたいとのことでした。









そんなこんなでマンションの住人、特におじいさんと同じ階の住人たちはテレビなどでよく耳にしていた「孤独死」がまさか自分の目の前であったことがショックで、信じられないという思いが皆個々の中で小さくザワザワするような感じでした。





もちろんわたしもショックでしたが、近所の独居で生活をしているおばあさんたちのところへ声をかけにいってみたのです。



「隣がこんなことになんて眠れなくなったりしていない?少しでもこわかったら身内の方に事情を話して電話とかできるようにしておいたらいいよ」なんてことを話しながら、自然に亡くなったおじいさんの話になりました。





すると、そのおばあさんの孫はよくおじいさんに話しかけられて懐いていたんだとか。他の部屋の方に聞いてもそこの子供に対しては気軽に話しかけては笑うこともあったそうで、子供たちは悲しんでいると言うのです。



わたしを含む近所の大人は嫌っていたから、見えていなかったおじいさんの側面が見えたようなきがしました。











そして現場検証も終わって次の日、マンションの管理会社が特殊清掃を頼むので部屋の清掃の日はベランダに洗濯物を干さないようにと注意喚起のビラがエレベーターホールに貼ってあるので、ついに特殊清掃が入って整理整頓されるんだなと思っていたら・・・。









清掃当日、仕事に行くため張り紙に書いてあった時刻より早めに部屋をでると、もう特殊清掃が始まっていたので開いているドアからおじいさんの部屋が見えてしまった上に清掃員の方と出くわしてしまいなんだか気まずい雰囲気になる。





特殊清掃というのは、このおじいさんのように孤独死などで亡くなった方の部屋を掃除しながら遺品整理をしてくれる清掃員のことなのですが、わたしが描いていたイメージ通り白いつなぎを着た清掃ルックで見たことのない道具を玄関に並べていました。





ガシャンガシャンと手際よくゴミ袋に入ったビール缶をポンポン外にだしている作業は、湯灌師の目線から見ると目の前の現実をかき消す作業のように思えたのです。





先にも書きましたが、わたしは以前湯灌師という仕事についていて、亡くなった故人をお風呂にいれて、化粧をし、納棺するということを250人以上行ってきました。





その湯灌では故人の部屋にあるものは、故人の歴史そのものであると感じています。



壁にかかっている冬物のジャンパーや積み上げられた新聞を見て、「ああ、最近まで新聞を読んでいたり、春物をだしそびれて少し暑いなと考えていたんだろうか」など故人の顔に重ねて生活を想像しながら、魂の送りの準備を整えます。





つまり湯灌では、故人の遺品は過去の歴史だけでなくあの世への通り道のような存在であると、わたしは思っています。



なぜそう思うかを口ではうまく説明できないのですが、きっと作業するときにご遺体がそこにあるから「通り道」であり「送る」のだと感じるのでしょう。







では特殊作業では、故人の部屋にある残しておかなきゃいけない遺品や捨てる物を分けたり、ご遺体の状態によっては汚れてしまった部分の貼り付けタイプの床カーペットなどもはがして消毒・脱臭を行っていきます。



作業員は遺品の仕分けの時に故人の生前はどんな方だったんだろうと想像するようです。(漫画や特殊清掃員のインタビュー記事を読んで)想像はするけれど、部屋を元のようにきれいにしなければいけない彼らにとって、ご遺族に渡すもの以外の遺品は消し去るものであって、故人の旅立ちに関わるものでもそういう作業でもないということです。





こんな風に「孤独死」の現場を湯灌師と特殊清掃員の立場から考えてみると、魂を送る現場と、この世に現状を戻す現場という違いがある気がしました。







死に縁遠くなっている現代で、湯灌師と特殊清掃員という死に近い仕事が増えてきている現状をみなさんはどうとらえるんでしょうね。











がん家族セラピスト



酒井たえこ














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